“ジュエリーデザインを通じてお客様の幸せな瞬間を彩りたい 佐久田 麻希  商品開発部 デザイン課

デザインしたジュエリーで人々に幸せな瞬間を

ミキモトのジュエリーデザイナーはカジュアルに使えるジュエリーから一点物のハイジュエリー、そしてお客様のご要望をもとに作成するオーダージュエリーのデザインまで、すべてのミキモト商品のデザイン画作成をしています。デザイン画はクラフツマンへの大切な設計図となるため、筆の線一本単位での緻密な作業が必要となります。デザイナーは入社後、ジュエリースケッチや歴代のデザインを何度も模写することから始まり、基礎として創業当初より受け継がれる「ミキモトスタイル」を学びます。実際に商品化するデザインの選定は年功序列に関係なく行われ、デザイナー同士が切磋琢磨しながら素敵な商品を生み出すために日々尽力しています。

学生時代からジュエリーを製作してきましたが、人が物に抱く愛着やその物を身につけた時の思い出がその人の人生をさらに豊かにしてくれることを、現在はより強く感じています。自身のデザインしたジュエリーがお客様の幸せな瞬間を彩ることができるということは、ジュエリーデザイナーの魅力の一つだと思います。最近ではSNSを通じて世界のお客様の投稿を見ることができ、喜んでいただけているお姿にやりがいを感じます。

幼いころの感動からジュエリーへの憧れへ

ミキモトを志望した理由の一つ目は、ジュエリーへの憧れです。小学生の頃にミキモト真珠島へ行ったことがあり、その時に見た美しい真珠やキラキラしたジュエリーが心に残っていました。また、大学ではコンテンポラリージュエリーを作製し、その中で宝飾品の歴史やハイジュエラーの持つストーリーに惹かれ、ならばミキモトしかないと志望するようになりました。二つ目の理由は使用素材の美しさと物づくりへの姿勢です。企業研究中にミキモトの歴史や商品製作工程を知る中で、ものづくりへの真摯な想いを感じて心を打たれました。

受け継がれるDNAの一つとして、ミキモトスタイルがあります。ヨーロッパのジュエリー様式、製作技術と日本の伝統的なモチーフや彫金技術を融合させたミキモト独自のスタイルです。よく先輩から「迷子の線をなくしてね。」と言われます。簡単に言うと無駄な線をなくし、美しい線だけを残すということです。過去のデザイン画を遡っても、迷子の線のない美しいラインで描かれたデザイン画ばかりで、これこそミキモトならではの受け継がれてきた技であり、日本画など線の美しさを大切にする日本の美意識と通じるものがあると思います。

ボーダーレスでタイムレスなジュエリーデザインを目指して

普段からジュエリーだけでなく、洋服やアクセサリーなどファッションに関わるものは店頭やSNS、街の人のコーディネートなどをよく見るようにし、世界の人々が今何に興味があるのか、どんなムードでいるのかを知りたいという探求心を持つようにしています。また旅行などの新しい体験がデザインの引き出しを増やすきっかけになり、絵画や彫刻、建築などの美しいバランスからインスピレーションを得ることも多く、自身の琴線にふれるものを探しに、美術館や展覧会へよく足を運びます。

昨今では性別や年代を問わず様々なお客様がパールジュエリーを日常的に楽しんでくださっています。中にはおばあ様やお母さまから受け継いだパールネックレスを身に着ける方も多く、パールジュエリーはまさにボーダーレスそしてタイムレスに使うことができるアイテムとなりました。10年、20年、数十年経ってもミキモトの店頭に並び続け、お客様から求められる商品、そして永く愛用していただける商品をデザインしていくことが私の目標です。そのためにもミキモトのデザイナーとして、ジュエリーの美しいバランスを追及し続けたいと考えています。

Profile

佐久田 麻希

2017年入社

商品開発部 デザイン課